「BPSD」という専門用語

BPSDとは・・・

「認知症の行動と心理症状」を表わす英語の「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字を取ったもの。これを直訳すると「認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の障害による症状」となります。

具体的には、心理症状として、妄想、誤認、幻覚、うつ、アパシー(無気力)、不眠、不安があげられています。行動症状として、徘徊、焦燥・攻撃性、介護に対する抵抗、不適切な性的行動、破局反応、夕暮れ症候群、叫声、不穏、文化的に不釣り合いな行動、収集癖、ののしり、つきまといが示されています。

BPSDの定義、その症状と発症要因 (pdf資料)

そんなBPSDについて

認知症の利用者を担当するケアマネジャーへの

アンケート結果がまとめられていました。

BPSDを理解していない介護家族は約4割、理解していても約7割は対応に難(PR TIMES)

 

アンケートのまとめとして

・BPSDの対応には、ケアマネなど介護職のみならず、介護家族がそのことを理解して、適切な対応と周囲への相談を行うこと
・介護家族がうまくBPSDに対応できるようになるためには、認知症やBPSDに関する知識を深め、早めに介護職や医療職に相談すること

が重要とされています。

 

認知症の「BPSD」

という言葉が使われる以前は

「問題行動」

と呼ばれていました。

 

「問題行動」と呼ぶのは

介護側に立った視点で

否定的な意味合いも含まれる

ということもあり

今ではほとんど使われていません。

 

ただ

「BPSD」という言葉自体

介護福祉関係者のみが知る

専門用語になっているかと思います。

 

本当に

介護家族にも理解してもらおう

と思ったときには

「BPSD」という言葉は

適切とは言えないのかもしれません。

 

本当に家族に理解してもらおうと思ったときには

「BPSD」という言葉は使わずに

誰にでも分かりやすい表現で

 

認知症の症状について

その対応方法について

説明するのが

専門家の仕事になるかと思います。

 

専門用語を使っていては

説明を聞いている側も

理解が難しくなります。

 

本当に

認知症の知識や理解を深めてもらいたいと思ったら

できるだけ専門用語は使わずに

小中学生が聞いても分かるような表現で

説明できるようにしたいですね。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。