人材紹介会社の規制強化

介護事業者の中には

介護職員や有資格者を採用するために

人材紹介会社を活用する事業者が多くあります。

 

ただし

人材紹介会社を経由して採用した際に

介護事業者に高額な経費がかかっているとのことで

行政側が対策を検討してくれています。

令和6年5月21日の財務省の資料では

人材紹介会社の規制強化として

以下のような内容が示されています。

介護事業者が民間の人材紹介会社を活用して人材を採用する場合、一部の人手が不足している事業者は高額の経費(手数料)を支払っている状況にある。また、人材紹介会社経由の場合、離職率が高いとする調査もあり、必ずしも安定的な職員の確保につながっているとは言い難い。
介護職員の給与は公費(税金)と保険料を財源としており、本来は職員の処遇改善に充てられるべきものである。その少なくない一部が、割高な手数料の支払いに回っている現状は、看過できない。
このため、人材紹介会社に対する指導監督の強化により一層取り組むとともに、医療・介護業界の転職者が一定期間内に離職した場合は、手数料分の返金を求めることを含め、実効性ある対策を更に検討すべきである。また、ハローワークや都道府県等を介した公的人材紹介を充実させるべきである。

我が国の財政運営の進むべき方向(財務省)

 

基本的に

ハローワークに求人広告を出して

そこから採用につながれば

広告費等はかかりませんが

 

なかなか

ハローワークの求人だけでは

採用につながらない場合が多く

 

有料の求人媒体を活用するケースも

多くあります。

 

さらに

有料の広告媒体を使っても

採用につながらなかったり

急な離職などがあれば

人材紹介会社を頼ることも多くなってしまいます。

 

財務省が掲載している資料をみると

紹介会社への手数料の総額が

2016年度と2021年度を比較した際に

4.1倍となっており

1件あたりの手数料についても

1.9倍となっている

ということが示されています。

 

いくら事業所の売上があがっても

人材採用にかかる経費が

それ以上に上がってしまっては

職員の処遇改善のための費用にあてることが

できなくなってしまいます。

 

むしろ

職員の離職率が高かったり

紹介会社を定期的に活用しているという事業者は

広告掲載費や採用費によって

運営が苦しくなっている

という状況もあるかもしれません。

 

事業所の収益を

少しでも多く

職員の処遇改善にあてられるよう

人材紹介会社の規制強化については

できるだけ早期の対応を

期待したいところです。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。

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