倒産が増える一方で新規開設も増えている

令和6年の介護事業者の倒産件数が

過去最多になった

ということがニュースになっていました。

去年、全国で確認された介護事業者の倒産は合わせて170件余りと、これまでで最も多くなったことが信用調査会社のまとめで分かりました。倒産の要因として、介護職員の不足や物価の高騰などの影響が考えられるということです。
東京商工リサーチによりますと、去年1年間に確認された介護事業者の倒産は全国で172件と前の年から1.4倍増え、介護保険制度が始まった2000年以降で最も多くなりました。

介護事業者の倒産 去年170件余 過去最多に 物価高騰など影響か(NHKニュース)

倒産が増えているというニュースを聞くと

介護サービスがどんどん減っている

将来的にサービスが受けられなくなるのではないか

と不安になる人もいるかもしれませんが

 

倒産が増える一方で

新規に開設する事業所も増えています。

 

令和6年12月に公表された

厚生労働省の資料には

令和5年6月~8月の3か月間と

令和6年6月~8月の3か月間の

介護サービス事業所数の変化がまとめられています。

改定検証調査における自治体調査の集計状況について(pdf資料)

 

資料を見ていただくと

事業所数の変化が

サービスの種類ごとに示されているため

種類によってはマイナスとなっているところもありますが

 

サービス種類全体の合計でみると

令和5年6年ともに

増加していることが分かります。

 

細かく見ていくと

都道府県等が管轄するサービスは増加し

市町村が管轄するサービスは減少している

という傾向も見えてきます。

 

市町村が管轄するサービスについては

市町村独自のサービスや

介護予防に特化したサービスなど

 

厚労省の資料には反映されないサービスが

増えていることも考えられます。

 

 

冒頭にあげた

倒産件数増のニュースを見ると

不安を感じる人もいるかもしれませんが

 

倒産が増える一方で

新規も増えている

ということもご理解いただけると

少し安心していただけるのではないかと思います。

 

もちろん

地域によっては

サービスが行き届いていなかったり

事業所の規模によっては

サービスが不足している

という状況もあるかと思います。

 

人材不足や物価高騰の影響を受け

今も苦しい状況の中

運営を継続している事業所もあるかと思いますので

 

安定したサービス提供を継続してもらえるよう

国や自治体からの支援にも

期待したいところですね。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。

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