“必要悪”から“信頼の仕組み”へ 入居者紹介事業の再構築

まず

入居者紹介事業については

 

悪く言ってしまえば

施設運営会社から

運営経費として活用できる費用を

紹介料として徴収し

運営施設の費用を圧迫させている事業

とも言えるかと思っています。

 

なくて済むのであれば

ない方が良いかもしれないです。

 

一方で

ケアマネジャーやソーシャルワーカーが

利用者や患者に対して

 

介護施設について説明する時間や

施設を探す業務を

代わりに対応している

という意味では

必要な事業とも考えられます。

そんな紹介事業について

有料老人ホームのあり方検討会の中で

”入居者紹介事業の透明性や質の確保”が

ひとつのテーマとされ

課題や今後の方向性について示されています。

有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(厚労省)

 

入居者紹介事業に対しては

入居者のニーズに応じた有料老人ホームを紹介すべきところ、高い手数料を提示する有料老人ホームに誘導する懸念がある

という課題があります。

 

この課題に対して

以下のような対策が示されています。

○ 高齢者やその家族、自治体、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー等が、事業者団体が実施している現行の紹介事業者届出公表制度における行動指針に則り適切に事業を運営している紹介事業者を、確実に確認・選択できる仕組みが必要である。
○ このため、現行の紹介事業者届出公表制度を前提に、公益社団法人等が一定の基準を満たした事業者を優良事業者として認定する仕組みの創設が有効である。
○ 紹介事業者には、高齢者に対する意思決定支援・権利擁護の機能を持つことが期待されていることから、こうした仕組みのなかで、紹介事業者が、利用者に対して自らの立場を明確に説明したうえで、中立的な立場から、正確な情報に基づき入居希望者の希望に合った有料老人ホームを紹介すること、成約時に有料老人ホーム側から紹介手数料を受領すること、紹介手数料の算定方法等を、入居希望者に対し事前に書面で明示するといった対応が必要である。
○ 紹介手数料の設定については、賃貸住宅の仲介を参考に、例えば月当たりの家賃・管理費等の居住費用をベースに算定することが適切である。
有料老人ホーム運営事業者においても、紹介事業者の活用や提携の有無、紹介手数料の算定方法等を公表するとともに、入居希望者に対し明示する必要がある。
○ このため、紹介事業者届出公表制度に基づく情報公表の仕組みを充実させ、紹介事業における業務内容やマッチング方法、紹介可能なエリア、提携する高齢者住まい事業者、紹介手数料の設定方法等について検索可能なシステムを作る必要がある。

 

いろいろ検討されているようですが

課題の要因として

高額な紹介手数料

というものがあるならば

 

全国一律の紹介手数料

としてしまった方が

高い手数料に誘導するという懸念が抑えられ

 

今後の対策としてあげられている

算定方法の説明やら公表やら

システム作りやらが

簡素化されて

対応もしやすくなりそうです。

 

なにより

これまで支払っていた高額な手数料が

現場の職員の方々に還元されることが

大切かと思っています。

 

施設を探す方にとっても

施設で働く人にとっても

課題の解消につながり

双方のメリットにもつながるような見直しに

期待したいところです。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。