退所する前に考えること
5月4日のNHK NEWSにて
以下のようなニュースがありました。
長期化見据え 入所型施設から在宅介護に移行する人も
愛知県の40代の女性は、77歳の母親を市内の老人ホームに入所させていましたが、2月下旬に感染予防のため面会が禁止されました。
母親は、8年前に脳こうそくを患い左半身のまひと意識障害が残ったため、最も重い「要介護5」の認定を受けています。
女性は、毎日のように面会して、まひした肩や腕などを根気強くマッサージしてきましたが、それもできなくなり、筋肉や関節のこわばりが以前よりひどくなっていると感じるようになりました。このまま事態が長期化すれば会えない間に症状が一気に悪化し取り返しがつかなくなるのではないかという不安が募ったといいます。
このため、担当の医師からは在宅で介護するのは難しいと言われましたが、先月30日、施設を退所させ、母親を自家用車に乗せて自宅に連れて帰りました。
覚悟を持って退所を決めたとのことですが、
私も私もと同様の判断を簡単にしてしまう人が増えないことを願いたいです。
もとのサイトを読んでいただけると、
「1か月の介護休暇をとり、この間に在宅介護の態勢を整えるつもり」
という記載があります。
在宅の介護サービスを活用するといっても、24時間の介護がついてくるわけではありません。
ご自宅で、ご家族の介護が必要になるケースが必ずと言っていいほどあります。
一度退所した場合の覚悟については、「最期まで自分で介護する」くらいの覚悟が必要かと思います。
退所した施設に必ずしもまた戻れるとは限りません。
他の施設を探そうとしても、簡単に見つからない場合もあります。
結局、家族の介護が毎日必要となれば、
職場を変える必要が生まれ、介護離職となる可能性があります。
すでに施設入所されている場合、
今回のニュースと同じように
どうしても退所させたいと考えた際、
感情的な判断には、ならないようにしてください。
最期まで介護する覚悟がない限りは
退所はおすすめしません。
ご自身の事、ご家族の事、本当によくよく考えてご判断いただければと思います。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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