認知症の薬に期待する前に考えること

また新たな

認知症薬に関するニュースが出ていました。

厚生労働省は26日、アルツハイマー型認知症に伴う暴言や暴力などの症状に対する初の治療薬を承認する方針を決めた。大塚製薬などが開発したうつ病などの治療薬「ブレクスピプラゾール」(商品名レキサルティ)で、厚労省の専門家部会が同日、適応の拡大を了承した。9月にも承認される見通しだ。

認知症に伴う「暴言」「暴力」などの初の治療薬、厚労省が9月にも承認へ(読売新聞)

認知症薬のニュースが出た際には

毎回のように紹介していますが

 

認知症の方への介護では

薬に頼る以前に

その方の生活環境を見直すこと

家族の関わり方を見直すこと

が第一と考えています。

 

認知症になり

できないことが増えたからといって

日常生活の中で制限することが増え

本人に対してストレスを与えていないか

 

本人の言動に対して否定や指摘することが増え

ストレスを与えていないか

などなど

 

もしストレスを与えていると感じるようなことがあれば

できるだけストレスなく生活してもらうこと

 

さらには

本人ができることは

できるだけ自分自身でやってもらい

生活の中で何らかの役割を持ってもらうこと

などが大切と言われます。

 

 

そして

認知症について

たびたび引用している内容になりますが

 

和歌山県立医科大学附属病院

認知症疾患医療センターのサイトに

『認知症のお薬について』

という解説ページがあります。

 

そのサイトでは

認知症は治療よりも療養が大切な病気です。お薬はあくまで補助だと考え、生活環境やコミュニケーションを調整することが第一です。ご本人が困っていることを具体的にリストアップして、それぞれの問題点に対してサポートできることをご家族や介護スタッフと一緒に考えましょう。ご本人の負担を軽くし、不安を少なくするだけで気力やコミュニケーションの改善がみられることも多いのです。失敗はできるだけ指摘せず、さりげなくサポートしましょう。ご本人のプライドや価値観を尊重し、笑顔で接するだけで症状は良くなります。

という記載があります。

認知症のお薬について(和歌山県立医科大学附属病院 認知症疾患医療センター)

 

私自身

認知症の方が生活する施設(グループホーム)で

仕事をしていたこともありますが

 

接し方ひとつで

その方の症状が大きく変化することを

実際に見てきています。

 

 

認知症介護で困っている方の中には

新しい薬が開発されたときくと

期待して

すぐに試してみたくなる方もいるかもしれませんが

 

薬に頼る前に

まずは

生活環境やコミュニケーションについて

見直すことを第一に

検討してみていただければと思います。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。