働く介護者の孤独

仕事と介護の両立支援

という言葉がありますが

 

”両立”という言葉の意味を考えると

両方とも自分でやらなければいけない

と考えてしまう人もいるかもしれません。

介護は自分で頑張ろうとせずに

できる限り介護の専門家に任せるもの

 

両立支援ではなく

介護の専門家とつながるための支援

が本来必要なことと考えています。

 

先日

以下のようなニュース記事が掲載されていました。

50代女性が、子育てをしながら脳腫瘍の夫を介護していた約10年前の苦悩を振り返った。
女性は当時、子どもを持つ女性管理職として、ロールモデルとなることを期待されていた。一つ課題をこなすと、すぐに新たな課題を与えられる。家での介護と育児で疲弊していたが、断ることも、助けを求めることもできず、手を抜けなかった。通勤途中、涙が止めどなく流れるようになり、「参っている」と自覚した。そして職場を離れた。

2017年から認知症の父親とパーキンソン病の母親、昨年から別居の叔父も介護している会社員の女性(49)も、介護と仕事の両立の難しさを吐露した。
一人っ子で頼れる身内はいない。介護に時間をとられることを想定し、作業マニュアルを整え、早めに引き継ぎを行い、担当業務に影響が出ないように心掛けてきた。しかし、どんなに頑張っても、「休みが多い」「負荷はかけられない」と思われているように感じた。疲労が募り、打ち合わせを失念することもあった。昇進はあきらめた。
「両立より、介護に『全振り』した方が楽かもしれない」。心が折れそうになることもある。「介護と仕事にかける比重は人それぞれ。『どうしたい?』と聞いてもらった上で、会社と個人の最適解を探れるようになれば」と訴えた。

通勤中に涙「休ませてと言えなかった」、仕事と介護の両立に疲弊(読売新聞)

 

仕事をしながら介護も行う方の

リアルな姿が書かれています。

 

あらためて

職場の中で

介護のことを悩まずに話せる環境

相談できる環境を

整備することの大切さを感じます。

 

また

「両立より、介護に『全振り』」という表現を見て

 

本来であれば

介護の専門家に『全振り』すべき

ということを伝えたくなります。

 

もちろん

介護の専門家に『全振り』するには

経済的な負担もあるため

簡単にできることではありませんが

 

そういった選択肢を考えられることも

めちゃくちゃ重要だと思っています。

 

 

企業としては

介護休業制度のもと

社内の就業規則等を整備するだけでなく

 

介護が必要な家族がいる従業員に対して

従業員が声をあげるのを待つのではなく

企業側から支援していくような体制

介護の専門家とつながれる支援など

検討いただけると良いかと思います。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。