HER-SYSデータに基づく報告
コロナ感染症が拡大する中で
ハーシス(HER-SYS)という言葉を
よく耳にすることがあるかと思います。
ハーシス(HER-SYS)とは・・・
Health Center Real-time Information-sharing System on COVID-19の略で
新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システムといい
保健所、自治体(保健所以外の部門)、医療機関、関係業務の受託者等の関係者の間で
情報共有が即時に行えるシステムになります。
⇒新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(厚労省)
このハーシスに集められたデータも活用しながら
今後の感染症対策の検討が行われています。
8月11日に公表された資料では
2021年6月1日~2021年6月30日までのHER-SYSデータを集計において
○コロナ感染陽性者と死亡者数
コロナ感染陽性者数は全52,743人中、65歳未満が45,812人と87%を占めた。
死亡者数は全317人中、65歳以上が282人と89%を占めた。
○コロナ感染陽性者の致死率
高齢者(65歳以上)で6,931人中282人(4%)、65歳未満で45,812人中35人(0.076%)
65歳未満の致死率は低かったが、年齢が上がるほど致死率は上昇していた。
○ワクチン接種による新型コロナウイルス感染陽性者の致死率
高齢者における死亡者は、未接種者は5,387人中232人(4.31%)、
1回の接種で857人中26人(3.03%)、2回の接種で112人中1人(0.89%)であった。
ということが示されていました。
6月時点でのデータにはなりますが
65歳未満の感染者数が9割近くと多いが
死亡者数は65歳以上が9割となっています。
また、65歳以上でもワクチン接種の有無により
致死率に違いが出ていることもわかります。
まだデータは少ないですが
ワクチン接種によって
重症化を予防し、死亡を抑える効果が期待できます。
他にも
コロナ感染陽性で有症状者については
男性で発熱、肺炎、全身倦怠感、下痢の症状が多く、咳、頭痛、嘔気・嘔吐が少ない
高齢者は発熱、咳、全身倦怠感、頭痛、下痢、嗅覚・味覚障害が少なく、肺炎が多い
という内容が示されています。
高齢者の場合は
熱発や咳などの症状がなくても
呼吸の状態や
血中酸素飽和度(SPO2)の数値によっては
感染症を疑う必要があるかもしれません。
厚労省サイトの中で
集計データなどの確認
データ分析結果なども見ることができますので
随時チェックいただけると良いかと思います。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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