ナッジ(nudge:そっと後押しする)

買い物をナッジ(わずかに後押しする行為)として活用する「買い物リハビリテーション」によって、高齢者の身体機能や認知機能が改善することが報告された。

雲南市立病院地域ケア科の毛利直人氏らの研究によるもので、詳細は「International Journal of Environmental Research and Public Health」に1月5日掲載された。

加齢に伴う身体機能や認知機能の低下予防・改善にはリハビリテーションが有効だが、リハビリ開始に至るまでの動機付けがネックとなることが少なくない。

それに対して近年、行動科学の知見に基づき「ナッジ」を応用する試みがなされている。

「買い物リハビリ」で高齢者の身体・認知機能が改善(@DIME)

 

ナッジ(nudge:そっと後押しする)とは

行動科学の知見(行動インサイト)の活用により

「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」

日本版ナッジ・ユニット(BEST)について(環境省)

 

自立支援介護において

この「そっと後押しする」ということは

重要なポイントになっています。

 

”介護”というと

何でもかんでもお世話することを

イメージする人もいますが

 

何でもかんでもお世話してしまっては

その人ができることまで奪ってしまい

ますます介護が必要な状態となってしまいます。

 

そうならないためには

その人が一人で出来ることについては

できる限り自分自身で行ってもらい

 

さらに身体機能の改善を図るためには

その人の活動や参加をうながすよう

そっと後押しすることが

大切になります。

 

冒頭の記事によると

買い物リハは

市内最大のショッピングセンターで

1回につき約120分かけて行われた

とのこと

 

ショッピングセンターで買い物をする

というきっかけを作るだけで

自然と歩行距離も増え

良い運動になりそうです。

また

商品選びや金銭管理をする機会が

認知機能にも影響しているのかと思います。

 

さらに買い物をきっかけとして

料理をしてみたり

部屋のデザインを考えてみたり

DIYをしてみたり

誰かのプレゼントを考えてみたり

と趣味や次の活動につながると

さらに良い影響がありそうです。

 

 

自立支援や介護予防が重要視されるなか

これから「ナッジ」という言葉が

多く使われるようになるかもしれないですね。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。