介護サービスの利用者負担見直し

令和4年4月13日

財務省では財政制度分科会が開催され

社会保障についての資料が掲載されています。

財政制度分科会(財務省)

 

介護分野における注目の内容のひとつに

利用者負担の見直し

があります。

 

資料の中では

○ 利用者負担については、2割・3割負担の導入を進めてきたが、今般の後期高齢者医療における患者負担割合の⾒直し等を踏まえ、
①介護保険サービスの利用者負担を原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図ること、
②現役世代との均衡の観点から現役世代並み所得(3割)等の判断基準を見直すこと
について、第9期介護保険事業計画期間に向けて結論を得るべく、検討していくべきである。

と示されています。

 

介護サービスの利用者負担については

現状すでに

所得に応じて1割から3割の負担割合となっていますが

 

それぞれの対象者の割合をみると

1割負担の人は92%

2割負担の人は5%

3割負担の人は4%

となっており

ほとんどの人が1割負担となっていることが示されています。

 

そこで

利用者負担を原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図る

ということが検討されています。

 

仮に原則2割となった場合には

92%の人が負担増の対象となり

介護サービス利用料が倍になる

ということになります。

 

利用者負担が増加することによって考えられるのが

サービスの利用控えになります。

 

今まで利用していたサービスを控えるとなると

介護状態の悪化

家族の介護負担増など

マイナス面が大きくなる可能性が高くなります。

 

家族の介護負担が増えてしまえば

介護離職やヤングケアラーの問題など

介護する側への影響が大きくなるかもしれません。

虐待などの問題に発展してしまうケースもあります。

 

介護の財源の問題も

大きな問題となっていますが

利用者負担増が

介護の悪循環を生まないよう

注意することも必要そうです。

 

 

将来的には

利用者負担増になったとしても

介護で困る人が増えないよう

周辺環境の整備も

同時進行で考えていきたいですね。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。