大磯町の介護事件
神奈川県大磯町の港で、足が不自由な79歳の妻を海に突き落として殺害したとして81歳の夫が逮捕された事件で、最近、妻の足の状態が悪化し、施設への入所が検討されていたことが警察への取材でわかりました。
夫はおよそ40年在宅での介護を続けていて、調べに対し「介護に疲れた」などと供述しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
⇒大磯町 妻殺害事件 妻の足の状態悪化で施設への入所を検討(NHKニュース)
少し前のニュースになりますが
ご存知の方も多いかと思います。
介護にかかわる事故や事件は
たびたび耳にしますが
今回の事件については
考えさせられる内容でした。
ニュースで報じられた内容を見ると
すでに介護サービスを利用していたとのことで
ケアマネジャーが相談窓口となり
デイサービスや福祉用具の担当者も
関わる機会があったかもしれません。
そして
施設入所の話が進められ
事件当日は
高齢者施設への入所に向けて施設側と面談する予定だったとのこと。
夫は「妻が施設に入るなら心中しようと思った」と供述していた
という情報もありました。
周りの介護関係者としては
夫の介護負担軽減や
妻の介護環境の改善などを理由に
施設入所について話し合い
お互いに了解したうえで
面談の予定まで進んでいたのかと思いますが
夫の本心である
「妻が施設に入るなら心中しようと思った」
という想いを伝えられないまま
今回の事件につながったのかもしれません。
介護の相談窓口となる人にとっては
対象者の介護環境や家族の介護負担
経済状況なども考えて
施設入所を進めることは
当然のようにありますが
状況によっては
周囲の介護関係者側が主体となって
施設入所の話を進めるケースもあります。
もちろん
関わる家族がいれば
家族に同意してもらったうえで
話をすすめることになりますが
100%納得して
実際に施設入所をする人は少ないかと思います。
本人であれば
やっぱり最期まで住み慣れた自宅で過ごしたいし
家族としては
少し後ろめたい気持ちを持つこともあるかと思います。
今回のニュースでは
事件となってしまいましたが
介護相談の際には
本人や家族の声にしっかりと耳を傾けることはもちろん
人の心を100%理解することはできませんが
本心の部分を理解しようと常に心掛けながら
対応していく必要があると感じています。
今後
同じような事件が二度と起きないよう願うとともに
自分自身も相手の心にしっかりと寄り添う対応ができるよう
心掛けていきたいと思います。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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