人員配置基準における論点
令和5年11月30日
厚生労働省では
第233回社会保障審議会介護給付費分科会が開催されました。
今回の議題は
第228回からの内容に引き続き
『令和6年度介護報酬改定に向けて』
ということで
◆介護人材の処遇改善等
◆人員配置基準等
◆介護現場の生産性向上の推進
◆その他(外国人介護人材、地域の特性に応じたサービスの確保、介護現場における安全性の確保、地域区分)
の項目について
1.これまでの分科会における主なご意見
2.論点及び対応案
3.参考資料
という内容でまとめられています。
◆人員配置基準等
に注目してみると
論点1.管理者の責務及び兼務範囲の明化
論点2.管理者の兼務( (看護)小規模多機能型居宅介護)
論点3.いわゆるローカルルール
論点4.テレワークの取扱い
論点5.「書面掲示」規制の見直し
論点6.人員配置基準における両立支援への配慮
という6つの論点があげられ
それぞれの対応案が記載されています。
人員配置については
サービス種類ごとに基準が設けられており
運営上必要な人員の確保だけでなく
専門職種の配置も必要になり
そもそもの介護人材が不足している中では
人材確保に苦労している
という事業所も多くあるかと思います。
そういった状況の中
人員基準の緩和は
事業所にとっても期待したい内容かと思います。
論点3.いわゆるローカルルール
の中では
管理者・従事者の兼務や経験・資格要件等について一定のいわゆるローカルルールが存在する
個別の事業所の実態を踏まえず一律に管理者の兼務を認めていない自治体が一定数存在する
他方で、多くの自治体では個別の実態に応じて判断している
という自治体独自のルールがあることが
明らかになっており
対応案として
都道府県及び市町村に対して、人員配置基準に係るいわゆるローカルルールについて、
・ あくまでも厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする必要があること
・ 管理者の兼務について、個別の事業所の実態を踏まえず一律に認めない取扱いは適切でないこと
・ 事業者から説明を求められた場合には、当該地域における当該ルールの必要性を説明できるようにすること
を求めてはどうか。
という内容が示されています。
“いわゆるローカルルール”が存在することによって
人員配置に苦しんでいる事業所も
少なくないかと思います。
せっかく人員配置基準が見直されても
ローカルルールがあるために
特定の地域では適用されない
となれば
今回の改定自体が意味のないものになってしまいます。
人員配置基準等の見直しについては
ローカルルールを作らないことを大前提に
すすめていただきたいですね。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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