介護は1人で抱え込まない
介護に関する問題というと
高齢者虐待に関する問題
認知症高齢者増加の問題
高齢者が高齢者を介護する老々介護の問題
などなど
様々な問題があげられます。
高齢者人口が増える中で
高齢夫婦のみの世帯や一人暮らし高齢者世帯が増え
孤立する高齢者が増えることで起こる
介護問題も心配されています。
つい先日
以下のようなニュースがありました。
滋賀県野洲市で34年にわたって寝たきりの長男の介護を続けてきた82歳の父親が、自身の体調の悪化などから将来を悲観し、承諾を得た上で長男を殺害した罪に問われました。10日の裁判で、大津地方裁判所は懲役3年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。裁判では、被告が周囲との接点がありながら頼らずに孤立していった状況が明らかになりました。
⇒将来を悲観…寝たきりの長男殺害した父 34年の介護生活の末に(NHKニュース)
ニュース記事を見ていただくと
2つの事例が紹介され
1つめの事例では
介護サービスを利用することでのつながりはあったようですが
次々とヘルパーが変わるため、そのつど介護のやり方を教えることになったほか、施設への送迎の際に事故に遭うなどしたことで、第三者に任せるほうが、かえって精神的な負担が大きいと感じたといいます。
おととしからは、平日は長男を介護施設に預けることにしましたが、同様に不安はつきませんでした。
一方で、家族への協力は求めなかったのか。
裁判でそのことを問われると、被告は「(ほかの子どもが)結婚するときに『お父さんが責任を持って見る』と約束したので、こんなつらい介護は頼みたくないと思った」と話しました。
という状況もあり
事件につながってしまったとのこと
2つめの事例では
「なんとか自分たちで努力しようとお互い励ましあっていたが、なかなか助けを求めるという思いに至らなかった。考えが狭かった」
とのことで
介護施設に入所していて
頼れる人達が近くにいたにも関わらず
頼る気持ちになれなかったようです。
記事のまとめとしては
●求めがなくても周りが1歩踏み込む「アウトリーチ型」の支援
●本人たちが遠慮などせずに支援を申し出やすい環境づくり
を今後の課題としてあげています。
介護にたずさわる者としては
まさにその通りと感じています。
また
突然誰かの介護が必要になったとき
突然誰かの介護をする必要に迫られたとき
”絶対に一人で抱え込まない”
ということを
基本原則として周知していきたいとも思います。
こういった事件を周知することもまた
多少なりとも事件の抑止に
つながるのではないかと思っています。
介護問題による
悲しい事件が増えないように
できることを考えていきたいと思います。
投稿者プロフィール

- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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