介護サービスにおける裁判事例

介護サービスを利用すれば

必ずしも安心安全

というわけでもありません。

 

介助者がいたとしても

事故が発生するケースは

たびたびあります。

 

介護現場での事故について

裁判にまで発展したケースも

過去にいくつも事例があります。

具体的な事例としては

デイサービスで

利用者がトイレに入る際

 

利用者からの拒否があったため

介助には入らなかったが

トイレ内で転倒

 

結果法人側に7割の過失

という裁判事例があります。

 

詳細については

デイサービスを利用していた女性が、午後3時頃送迎のバスを待って、ソファーで 座っていたところ、念のためトイレを済まそうと前方にあった障碍者用トイレに向かい、介護職員は障碍者用トイレの入り口までは歩行介助するも、「自分一人で大丈夫だから。」、「ここからはいいから。」と二度強く拒絶されたため、介護職員は持ち場に戻った。職員は、利用者がトイレから出られたら歩行介助をしようと考えた。その後、女性利用者が障碍者用トイレ内で転倒。右大腿骨頚部内側骨折と診断。

という事例に対して

利用者が本件トイレの入り口から便器まで杖を使って歩行する場合、転倒する危険があることは十分予測し得るところであり…、利用者が拒絶したからといって直ちに一人で歩かせるのではなく、説得して利用者を便器まで歩くのを助ける義務があった。介護拒絶の意思が示された場合であっても、介護の専門知識を有すべき介護義務者においては、「介護を受けない場合の危険性とその危険を回避するための介護の必要性とを専門的見地から意を尽くして繰り返し説明し、介護を受けるよう繰り返し説得すべきであり、それでもなお要介護者が真摯な介護拒絶の態度を示したというような場合でなければ、介護義務を免れることにはならない。」「介護を受けない場合の危険性とその危険を回避するための介護の必要性を説明しておらず、介護をうけるように説得もしていないのであるから、歩行介護義務を免れる理由はない。」
※ 法人側に7割の過失 「繰り返し十分な説明義務を怠った」

という結論

介護事故裁判事例(福祉リスクマネジメント研究所)

 

もちろん

介護サービスを提供する側に

明らかな問題があれば

納得できる内容ですが

 

「二度強く拒絶された」ということから

そこまで法人側が責められることなのか

と考える人も少なくないかと思います。

 

トイレでの排泄介助に関しては

とてもデリケートな問題で

プライバシーの配慮も必要なところ

 

利用者が歩行可能な状態で

利用者からの

はっきりとした拒否があれば

 

介助には入らず

こっそり見守る

という職員も多いかと思います。

 

それでも介助に入ろうとすれば

怒ってしまうかもしれません。

 

怒って興奮状態にさせてしまうことで

身体の不調につながることもあります。

転倒の危険性が増えたり

周囲の利用者への影響まで考えられます。

 

このようなケースで

法人側に対して責任を求められてしまうと

何とももどかしい気持ちにもなります。

 

こういった事例があることで

ますます

介護職を選ぶ人が減り

介護事業を行う事業者も減るのではないか

とも考えてしまいます。

 

 

福祉リスクマネジメント研究所には

その他の裁判事例も掲載されていますので

ご一読してみてください。

 

裁判事例を見てみると

え?なんで?

というケースも少なからずあります。

 

利用者の安心安全の確保は

もちろんのことですが

 

介護サービスを利用する際には

万が一のこととして

事故のリスクがあることも

ご理解いただければと思います。

 

基本的には

サービス提供前に

介護事業者側から

 

利用者に対して

どのように対応するか

どのようなリスクがあるのか

などの説明があるかと思いますので

しっかりと確認いただければと思います。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。