介護費用の改定について
2000年4月から始まった介護保険制度は
3年毎にその報酬(価格)が改定され
2021年4月に7回目の改定が行われます。
報酬が上がれば
利用する側の負担が増え
介護事業者の収入が上がります
報酬が下がれば
利用する側の負担は減り
介護事業者の収入が減ります
来年度の改定については
新型コロナウイルスの影響により
介護事業者の収入にも影響があったため
報酬増の声が多く上がっていますが
財務省では
実際の介護事業者の経営実態調査の結果や
国民の費用負担、国の財政状況を考えると
報酬増には慎重であるべきとの見解が示されています。
利用する側からすると
報酬が下がった方が利用料金も下がりますので
サービスが使いやすくなりますが
その分、介護事業者側は
収入が減り、運営状況が厳しくなり
極端な話をすると
介護サービスを提供すること自体できなくなってしまいます。
反対に
報酬が上がった場合には
料金が高くなるためにサービスを利用しづらくなるかもしれませんが
介護事業所側にとっては
売上が上がるため安定運営につながり
また、低賃金が問題視されている介護職員の給与への還元も可能になります。
ただし
介護報酬は国や都道府県、市区町村も負担していますので
報酬を上げた場合には
国の財政まで影響するということを考えなければなりません。
うまくバランスをとることが重要になっています。
高齢者が増え続けているという現状は変わらず
これまでと同様のペースで
要介護者が増えていけば
国の負担も増え続け
報酬を下げざるを得ない状況になるかもしれません。
かといって
簡単に報酬を下げてバランスが崩れてしまえば
介護サービスの提供が十分に行えなくなる可能性があります。
そうならないためには
できるだけ年をとっても介護が必要ない状態でいられるように
介護予防、健康寿命の延伸が大切になります。
厚労省で進められている検討事案の中で
自立支援や重度化防止に関する項目が
話し合われている通り
これからの介護保険サービスでは
自立支援や重度化防止
介護予防の分野に対して
本格的に取り組んでいくこととなるかと思います。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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