環境変化で起こる認知症状の変化

今回は

個人的な体験をもとにした

認知症に関する意見になります。

 

アルツハイマー型認知症については

去年12月に新薬の承認があり

新しい薬に期待する人もいるかもしれませんが

 

個人的な意見としては

認知症は

薬の服用以上に

生活環境の変化が大きく影響すると考えています。

実際の具体例を2つあげてみます。

 

まずは介護施設の入居者の事例

認知症状は軽い物忘れ程度で

特別な症状はありませんでした。

 

普段は他の入居者と関わりながら

広いフロアで過ごしていたのですが

 

コロナの影響で

個室で過ごすこととなり

他の入居者との関わりが明らかに減ってからは

幻覚の症状があらわれ

ナースコールも頻回となりました。

 

認知症状が強く出ていることで

日中は個室ではなく

広いフロアで過ごしていただくことにしました。

 

少数ながらも他の入居者との関わりができてからは

幻覚や不安症状もなくなりました。

 

認知症の薬は飲んでいたものの

環境の変化が影響したと考えています。

 

 

続いてデイサービス利用者の事例

普段は一人暮らしの環境で

ヘルパーが介入しながら

何とか一人暮らしができている人でした。

 

一時的に家族と同居することになり

ヘルパーの介入が減ってからは

 

デイサービスへの拒否が発生したり

通所できても

職員の言葉が耳に入らない状態だったり

同居の家族を自分の親だと言ったり

衛生面も

爪の中に便がついた状態になっていたり

などなど

認知症が進行したような症状がありました。

 

一時的な同居だったため

再び以前の一人暮らしの状態に戻り

ヘルパーさんの介入回数も戻した結果

 

上記のような症状がなくなり

これまで通りデイサービスに通える状態になりました。

 

デイサービスの事例も

薬は飲んでいたものの

環境が変わることで

症状も変化したという事例になります。

 

 

繰り返しになりますが

認知症に関しては

薬で症状を抑えるというよりも

本人が安心できる

生活環境を考えることが第一かと思います。

 

和歌山県立医科大学附属病院

認知症疾患医療センターのサイトでは

認知症の方への対応方法について

以下のように記載しています。

認知症は治療よりも療養が大切な病気です。お薬はあくまで補助だと考え、生活環境やコミュニケーションを調整することが第一です。ご本人が困っていることを具体的にリストアップして、それぞれの問題点に対してサポートできることをご家族や介護スタッフと一緒に考えましょう。ご本人の負担を軽くし、不安を少なくするだけで気力やコミュニケーションの改善がみられることも多いのです。失敗はできるだけ指摘せず、さりげなくサポートしましょう。ご本人のプライドや価値観を尊重し、笑顔で接するだけで症状は良くなります。

認知症のお薬について(和歌山県立医科大学附属病院 認知症疾患医療センター)

 

個人的な意見も記載しましたが

和歌山県立医科大学附属病院のサイトは

ぜひとも参考にしていただければと思います。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。