総合事業の報酬単価
令和4年10月31日
厚生労働省では
第100回社会保障審議会介護保険部会が開催され
「給付と負担について」というテーマで
議論が行われています。
「給付と負担について」の内容としては
介護にかかる費用が急激に増加している中
今後も介護保険制度を持続可能なものにするために
介護保険料や利用者負担の仕組みを見直していきましょう
というもので
具体的には
以下の7点が論点とされています。
(1)被保険者・受給者範囲
(2)補足給付に関する給付の在り方
(3)多床室の室料負担
(4)ケアマネジメントに関する給付の在り方
(5)軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
(6) 「現役並み所得」、 「一定以上所得」の判断基準
(7)高所得者の1号保険料負担の在り方
(5)軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
については
介護事業者にとって注目度の高い項目になっています。
要介護1・2までを
総合事業へ移行する見直し案が検討されていますが
実際に要介護1・2の方まで総合事業へ移行するとなれば
要介護度の軽度者を対象とするサービスを提供している事業者
実際に利用する高齢者が軽度者が中心になっている事業者
にとっては
この先事業を継続できるかどうかという問題になりかねません。
注目ポイントのひとつは
その報酬単価で
総合事業の報酬単価は
自治体毎に定められ
基本的には
国で定められていた報酬と同じかそれ以下になっています。
運営の基準自体は緩和されるものの
その緩和要件が報酬減に見合ったものかどうかは
自治体の要件次第となります。
以前に
要支援の方のサービスが
総合事業へ移行した際には
全国の報酬単価の30%程
報酬単価が下げられた地域もありました。
そうなってくると
要支援者をサービスの対象としていた事業所にとっては
急に売上の30%が減少することとなりますので
サービスの提供方法を見直すか
事業所を閉鎖するか
という選択を迫られるような状況となります。
サービスの提供方法を見直したとしても
その方法で事業の継続が可能かどうかも分かりません。
実際に閉鎖した事業所も多くあったかと思います。
その総合事業移行の対象者が
さらに広がれば
また多くの事業所が閉鎖に追い込まれるかもしれません。
できるだけ
要介護1・2の総合事業への移行については
慎重に検討してもらいたいと思っています。
また
これから介護事業に参入を検討している方で
軽度者へのサービスを想定しているのであれば
自治体毎の総合事業の基準が
大きなポイントとなります。
単純に高齢者が増えているから
介護サービスに参入しようと考えれば
失敗してしまう可能性は高くなります。
介護事業への参入について
真剣に考えているのであれば
国や自治体の方針についても
しっかりと確認しておくことが重要ですね。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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