虐待の発生要因

2023年12月22日

厚生労働省は

令和4年度の高齢者虐待に関する

調査結果を公表しています。

高齢者虐待防止(厚労省)

 

調査結果の概要と詳細の資料も公表されており

詳細の資料を見てみると

「虐待の発生要因」についても

まとめられています。

介護施設における虐待の発生要因については

「教育・知識・介護技術等に関する問題」が 480 件(56.1%)
「職員のストレスや感情コントロールの問題」が 197 件(23.0%)
「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ、管理体制等」が 193 件(22.5%)
「倫理観や理念の欠如」が153 件(17.9%)
「人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ」が 99 件(11.6%)

 

家庭内における虐待の発生要因については

「認知症の症状」が 9,430 件(56.6%)
「介護疲れ・介護ストレス」が 9,038 件(54.2%)
「理解力の不足や低下」が 7,983 件(47.9%)
「知識や情報の不足」が 7,949 件(47.7%)
「精神状態が安定していない」が 7,840 件(47.0%)
「被虐待者との虐待発生までの人間関係」が 7,748 件(46.5%)

となっています。

 

調査については

複数回答もあるとのことなので

様々な要因が重なっていることも考えられます。

 

気になる点としては

介護施設では

介護人材不足がひとつの要因になっていること

 

介護人材については

将来的に

さらに不足することが予測され

 

人材不足により

十分な介護サービスを提供できなくなるケース

介護職員一人ひとりの業務負担増

なども予測されます。

 

介護人材の確保だけでなく

ICT機器や介護ロボットの活用なども

積極的に導入していく必要がありそうです。

 

また

家庭内では

認知症への対応について

支援体制を強化していく必要を感じます。

 

認知症への対応は

家族や親族だけで介護することは難しく

必ず誰かのサポートが必要になります。

 

先日

アルツハイマー型認知症についての

新しい治療薬の情報もありましたが

あくまで

認知症の進行を抑制するもので

認知症を治す薬ではありません。

 

新しい治療薬が出たから大丈夫

家族だけでも対応できる

とは思わないでください。

 

少しずつ介護負担が増え

知らず知らずのうちにストレスがたまり

気づいた時には虐待をしてしまっていた

ということにもなりかねません。

 

介護をしている世帯や

高齢夫婦世帯などが増える中では

介護関係者から

介護をしている家庭への

積極的な支援体制も必要になりそうです。

 

 

虐待件数については

毎年増加傾向となっています。

虐待防止に関する取り組みは

今後も注力していく必要がありそうです。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。

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