認知症の進行を抑制するという表現

認知症については

いくつかの薬がありますが

 

いずれも

認知症を治すための薬ではなく

進行を抑制するための薬とされています。

この

進行を抑制するという表現

 

なかなかにあいまいな表現だなと

感じています。

 

そもそも

認知症と診断を受けた人が

どれだけの期間を経て

どのように進行していくのか

という明確な基準がある訳ではありません。

 

認知症の診断テストの結果を基準としたり

脳内物質の状態を確認することで

その進行の程度を評価する情報もありますが

 

例えば

1年経過すると

時間や日付の認識ができなくなり

3年経過すると

場所の認識ができなくなり

5年経過すると

人の認識ができなくなる

というような

明確な指標はありません。

 

さらに

進行の程度は人それぞれで

生活習慣や生活環境などが

大きく影響すると言われています。

 

和歌山県立医科大学附属病院

認知症疾患医療センターのサイトには

以下のような情報が記載されています。

認知症は治療よりも療養が大切な病気です。お薬はあくまで補助だと考え、生活環境やコミュニケーションを調整することが第一です。ご本人が困っていることを具体的にリストアップして、それぞれの問題点に対してサポートできることをご家族や介護スタッフと一緒に考えましょう。ご本人の負担を軽くし、不安を少なくするだけで気力やコミュニケーションの改善がみられることも多いのです。失敗はできるだけ指摘せず、さりげなくサポートしましょう。ご本人のプライドや価値観を尊重し、笑顔で接するだけで症状は良くなります。

認知症のお薬について(和歌山県立医科大学附属病院 認知症疾患医療センター)

 

もちろん

認知症の薬が

効果を示している

というケースもあるかと思いますが

 

正確には分からない部分も多く

薬以外の環境が影響していたり

もともと進行がゆるやかな場合も

考えられます。

 

反対に

薬の副作用によって

認知症状が強く出る

その他の病気に影響する

という可能性もあります。

 

認知症の薬には

一定の効果はあるかと思いますが

薬に頼りすぎず

 

生活環境やコミュニケーションについて

見直すことを第一に

検討いただけると良いかと思います。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。