財政破綻後の夕張市民の変化

2007年、北海道の夕張市は

財政破綻をした結果

171床あった市内唯一の市立総合病院が閉鎖され

19床の診療所と40床の老人保健施設に縮小されました。

 

病院閉鎖と聞くと

助かる命も助からなくなり

適切な医療が受けられずに早死にしてしまう

というイメージを持つ方もいるかと思いますが

市内の死亡数、死亡率は変わらず

医療費は大きく削減される

という結果となりました。

 

もともと人口は減少傾向にある地域でしたが

医療や介護を必要とする75歳以上の高齢者人口は

増加している中での結果でした。

 

財政破綻後の夕張市では

在宅生活を支えるための

医療、介護体制が整備されるとともに

予防医療を中心とする方針が打ち出されました。

 

具体的な予防医療としては

肺炎球菌ワクチンと口腔ケアによる

肺炎予防を実施し、効果を示しました。

 

内容はこちらの書籍から

 

特に印象に残っているのが以下の文章です。

予防医療については、結果がどうこうにもまして、そこに至る気持ちが大事だと思います。高齢者の肺炎予防もそうですが、特に生活習慣予防については。つまり、『病気になったら医療があるから大丈夫』と安心しきって好き放題の食生活・運動不足などをするのか、『病気にならないように日頃から食事・運動に気をつける。ワクチンも口腔ケアもやる』という生活をするのか。もっと言えば、『医療におまかせで楽をする』のか、『自分で汗をかいて努力する』のか。そういう意味では、生活の根本の『覚悟』の問題なのかもしれませんね。」

~本文よりそのまま引用~

 

引用の文書は、「自助」についての内容になりますが

「共助」の部分

地域全体で支える、見守るという状況も

夕張市では、作り上げられています。

 

それも、地方だから、田舎だからできること

とも思われますが

 

都市部でもどこでも

市民の意識さえ変われば

作り上げることができると著書は言います。

 

これからさらに高齢者が増え

医療費もますます増加してしまえば

将来の子供たちへの負担が増すばかりです。

 

そうならないためには

今まで通りの生活スタイルを継続するのではなく

夕張市の変化を見習い

それぞれの地域に合わせた

変化をしていく必要があるのかもしれません。

 

私たち一人ひとりの意識を

変える必要があるのかと思います。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。

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