2007年に財政破綻した夕張市の医療・介護体制

北海道夕張市は

2007年に財政破綻をしました。

 

その結果

171床あった市内唯一の市立総合病院が閉鎖され

19床の診療所と40床の老人保健施設に縮小されました。

救急病院がなくなり、救急車の病院到着時間は2倍になりました。

さらに、当時の夕張市は高齢化率が47%と日本一でした。

 

しかし、その後の状況をみると

死亡数は横ばい

在宅患者さんは増え、介護施設での看取りも増えました。

救急出動は半分に減り

市の医療費は削減されました。

 

もちろん、介護費はその分上がりましたが

医療費の削減分のほうが大きく

総合的にコストダウンとなったそうです。

 

市内唯一の総合病院がなくても

死亡率は変わらず

医療費が削減できる

という事例があります。

 

上記内容は

夕張市立診療所に勤務した医師

森田洋之氏の著書

破綻からの奇蹟~いま夕張市民から学ぶこと~

から引用しています。

 

現在の日本の医療体制について

考えさせられる内容となっています。

 

新型コロナウイルスの影響を受けて

病院の受診控えが増え

健康状態の悪化や持病の重症化が心配されていました。

 

しかし、死亡数という数字の部分だけみると

コロナ感染症があり

受診控えがあったにも関わらず

前年と比べてほぼ変わらない数字を示しています。

人口動態調査

人口動態統計速報(8月分)

 

受診控えが増えることで

病院の経営状態の悪化を心配する声もありますが

 

もしかしたら

今ある病院数、ベッド数が

本当にどうしても必要な数なのか

毎年増え続ける医療費についても

本当に必要とされている医療なのか

考える必要があるのかもしれません。

 

もちろん

通院を控えることにより

苦しんでいる人もいるかと思います。

そして、今後の数字が大きく変わる可能性もあります。

 

 

ただ、夕張市では

病院が無くても市民がいきいきと暮らしている

という現実がありました。

 

著書には、そんな夕張市の実情が細かく示されています。

記載しているのは、書籍の内容のほんの一部ですので

気になる方はぜひご一読ください。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。