9,000円の賃上げの実態
1年ほど前になりますが
令和3年12月8日に開催された
第204回社会保障審議会介護給付費分科会の中で
介護現場で働く方々の収入の引上げについて報告されました。
収入の引上げについては
「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の中で
看護、介護、保育、幼児教育など、新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線において働く方々の収入の引上げを含め、全ての職員を対象に公的価格の在り方を抜本的に見直す。民間部門における春闘に向けた賃上げの議論に先んじて、保育士等・幼稚園教諭、介護・障害福祉職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を3%程度(月額9,000 円)引き上げるための措置を、来年2月から前倒しで実施する。
と示され
実際に2月から9月の期間に
収入の引上げ分が
国から補助金として支払われました。
”収入を3%程度(月額9,000 円)引き上げる”
として
具体的な金額まで示されていますが
実際には
補助金の申請をした事業者に対して
その売上に応じて支払われ
職員への分配については
事業者に任せられるというものでした。
もちろん
支払われた補助金に対しては
職員へ還元した実績報告が求められるため
必ず還元はされるものですが
補助金額は
売上に応じた金額のため
利用者が少なければ
当然補助金額は少なく
職員の配置が多ければ
職員一人当たりの金額も少なくなります。
また
本来介護職員に対しての補助金ですが
介護職員以外の職種も
支給対象とされたため
分配額が少なくなることも想定されます。
もちろん
そもそも事業者が補助金の申請をしていなければ
賃金が引き上げられていない
というケースもあります。
職員の中には
賃上げのニュースだけ見て
勝手に不満を抱えている人や
不信に感じている人もいるかもしれません。
事業者としては
賃上げの補助金について
職員にもしっかり理解してもらえるよう
説明しておきたいところですね。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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