要介護度改善の「報奨金」
今年3月下旬、東京都が公表した2023年度の施策「要介護度等改善促進事業」に介護業界の注目が集まりました。介護サービスの利用者の要介護度などを維持・改善した施設・事業所に最大40万円を支給するものです。
⇒自治体で導入広がる! 要介護度改善「報奨金」(日経メディカル)
介護事業所の中には
リハビリや介護予防
自立支援に特化して
サービスを提供している事業所が多くありますが
介護保険制度の仕組み上
事業所が自立支援に取り組んだ成果として
利用者の要介護度が改善した場合
事業所にとっては
売上が減る
という結果になってしまいます。
ざっくりといってしまうと
要介護度が上がれば(悪化)売上が増え
要介護度が下がれば(改善)売上が減る
という仕組みです。
頑張れば頑張るほど
結果を出せば出すほど
売上が減る
という仕組みであれば
当然
頑張らないほうが良い
売上を上げたいのであれば
重度化した人の対応だけしていれば良い
と考える事業所もあるかもしれません。
国の方針として
介護予防や自立支援を打ち出してはいるものの
介護保険の制度上では
介護予防や自立支援に真剣に取り組めば
売上が減るという現状があります。
そういった状況を改善するためには
冒頭の記事にあるような
介護度改善に対する報奨金などは
より多くの自治体で
すすめるべき取組みかと思います。
今の制度上でも
介護度の改善の結果に対して
加算が算定できる仕組みはありますが
事業所に対する報酬としては
少なすぎるかと思います。
今後
自立支援や介護予防の取り組みを
より一層強化していくのであれば
改善の結果に対する評価の仕組みを
事業所が積極的に取り組みたくなるくらいのものに
見直してもらいたいところですね。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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