介護保険費用等の推移
4月15日に行われた
財政制度分科会の資料の中には
「制度創設時からの介護保険費用等の推移」
について記載されたページがあります。
資料の中では
○ 介護費用は、制度創設時に予測した水準に比べて増加。
更に、2010年までの推計期間を経過した後も、費用は増加し続け、足元では10兆円を上回る水準となっている。
○ 保険料についても、当初見込みを上回るペースで上昇。足元では制度創設時から約2倍の5,869円となっている。制度創設時の推計から乖離した要因として、居宅サービス費用の大きな増加や当初見込みを上回る要介護認定者数の増加が考えられる。
○ 社会的入院が解消され、医療保険の負担が▲1.2兆円減少するとされていたが、保険料の減少は▲0.1兆円にとどまっている。
という内容が記載されています。
介護費用は2000年の制度創設年度
3.6兆円だったのが
2018年度で
すでに10兆円を超えています。
保険料についても
制度創設時の全国平均は2,911円だったのが
2018年度から約2倍の5,869円
制度創設時には
費用の推計の数字を出していましたが
それを上回る数字となっています。
要因としては
居宅サービス費用の大きな増加や
当初見込みを上回る要介護認定者数の増加が考えられる
とのことです。
介護保険費用が推計より上回っていることに対して
居宅サービス費用を抑制するという方法がありますが
そうなると
介護事業者の経営が厳しくなってしまいます。
介護事業者の経営が厳しくなれば
事業所を閉鎖せざるをえない場合も想定されます。
そうなれば、介護が必要な人に
サービスが届けられなくなり
介護で困る人が今まで以上に増えてしまいます。
できれば
サービス費用は維持しつつ
今まで以上に要介護認定者を増やさないことを中心に
介護保険費用の抑制ができれば良いのかと思います。
そのための施策として
すでに
介護予防、地域支援事業
自立支援、重度化防止の取組み
科学的介護の推進
などありますが
まだまだ結果に結びつけられているという状況ではありません。
科学的介護の推進については
今年度から新たにスタートする取組でもあります。
これから
しっかりと結果に結びつけられるよう
試行錯誤しながらも前向きに
取り組んでいく必要があるのかと思います。
投稿者プロフィール
- 2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。
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