認知症は薬の前に生活環境をチェック

先日

厚生労働省が新たな認知症薬「レカネマブ」を

正式承認したというニュースがありました。

 

厚生労働省は日本とアメリカの製薬会社が共同で開発したアルツハイマー病の原因物質に直接働きかける新薬について、25日、正式に承認しました。早ければ年内にも患者に使われるものとみられます。

アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」を正式承認 厚生労働省(NHKニュース)

8月21日の時点で

厚生労働省の専門部会で

新薬の承認を了承したという情報がありましたが

 

9月25日に

製造販売の正式承認をした

という情報になります。

 

認知症を心配する人にとっては

嬉しい情報かもしれませんが

 

今回の薬によって期待できる効果としては

認知症を治すのではなく

認知症の症状の進行を抑えること

対象者は

認知症を発症する前の「軽度認知障害」の人や

アルツハイマー病発症後の早い段階の人

などは理解しておきたいところです。

 

また

このブログでは何度か紹介していますが

薬に頼る以前に大切なのが

その方の生活環境や

コミュニケーションの状況です。

 

和歌山県立医科大学附属病院

認知症疾患医療センターのサイトでは

認知症は治療よりも療養が大切な病気です。お薬はあくまで補助だと考え、生活環境やコミュニケーションを調整することが第一です。ご本人が困っていることを具体的にリストアップして、それぞれの問題点に対してサポートできることをご家族や介護スタッフと一緒に考えましょう。ご本人の負担を軽くし、不安を少なくするだけで気力やコミュニケーションの改善がみられることも多いのです。失敗はできるだけ指摘せず、さりげなくサポートしましょう。ご本人のプライドや価値観を尊重し、笑顔で接するだけで症状は良くなります。

ということが記載されています。

認知症のお薬について(和歌山県立医科大学附属病院 認知症疾患医療センター)

 

認知症の方と関わるうえで

本当に大切なポイントになります。

 

認知症でお困りの方は

まずは

生活環境やコミュニケーションの方法を

見直してみるだけでも

改善がみられるかもしれません。

 

 

必ずしも

新薬ができたから安心

というわけではなく

薬に頼る以前に

見直すべきポイントがあるかもしれません。

 

今回の新薬承認のニュースを受けて

あらためて認知症について

理解を深めるきっかけにしていきたいですね。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。

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