勝手に認知症のせいにしない

認知症の症状に対して

「BPSD」という言葉が使われることがあります。

 

BPSDとは・・・

「認知症の行動と心理症状」を表わす英語の「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字を取ったもの。これを直訳すると「認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の障害による症状」となります。

具体的には、心理症状として、妄想、誤認、幻覚、うつ、アパシー(無気力)、不眠、不安があげられています。行動症状として、徘徊、焦燥・攻撃性、介護に対する抵抗、不適切な性的行動、破局反応、夕暮れ症候群、叫声、不穏、文化的に不釣り合いな行動、収集癖、ののしり、つきまといが示されています。

BPSDの定義、その症状と発症要因 (pdf資料)

BPSDの具体的な症状をみると

様々な言葉が並んでいますが

 

認知症からくる

心理症状や行動症状と思われるものも

 

実は

認知症でなくても当たり前の反応

という場合があります。

 

例えば

外出したくないのに

外出させようとしたり

風呂に入りたくないのに

入浴させようとしたりすれば

だれでも抵抗を示します。

 

強引に連れ出そうとしたり

無理やり入浴させようとすれば

それに対して攻撃性が出ることも

当然のことと考えられます。

 

介護に対する抵抗

という言葉もありますが

 

大人になってオムツを履くこと

を考えると

喜んでオムツを履きたいと思う人は

ほとんどいないはずで

抵抗を示すことが

当然のことと考えられます。

 

訪問介護のヘルパーさんに

自宅に入ってもらうことも

赤の他人を家の中に入れて

家の中のものをさわられたり

自分の身体をさわられたりすれば

当然抵抗を示す人もいるはずです。

 

普通に考えたら当然のはずのことも

認知症だからという理由で

安易にBPSDだ問題行動だ

と判断してしまっている場合が

あるかもしれません。

 

 

よく考えたら当たり前と思われることも

全て認知症のせいにしてしまうと

間違った対応につながり

さらに認知症を進行させてしまう要因になったり

 

本人と介護する側の

双方のストレスになってしまう

ということにもなりかねません。

 

認知症介護にたずさわる際は

間違った対応のために

不安症状や行動症状につながっていないか

あらためて見直してみると

 

改善できる点が

見えてくるかもしれないですね。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。