利用者負担の見直し

令和3年5月21日

財務省の財政制度等審議会でまとめられた

「財政健全化に向けた建議」において

 

介護保険サービスの利用者負担を

原則2割とすることや

2割負担の対象範囲の拡大を図ることを

検討していく方針が示されています。

参考資料(2)の57ページ

 

なお、以前のブログでも同様の内容について

記載しています。

介護サービスの利用者負担割合見直しを検討中

 

今後も予測される

高齢者人口の増加

要介護認定者数の増加

介護サービス費用の増加

に備えるための手段の一つとして

利用者負担の見直しが検討されています。

 

現状

ご自宅で介護サービスを利用する際

その介護度に応じて

介護保険が使える限度額が

以下のように決められています。

要介護1 16,765単位(約167,650円)
要介護2 19,705単位(約197,050円)
要介護3 27,048単位(約270,480円)
要介護4 30,938単位(約309,380円)
要介護5 36,217単位(約362,170円)

 

例えば限度額いっぱいまで

サービスを利用したとして

要介護1で1割負担であれば

16,765円となります。

 

それが2割負担となると

2倍の33,530円

 

年間を通すと

1割負担の場合・・・201,180円

2割負担の場合・・・402,360円

となり

その差が20万円以上となります。

 

介護サービスを多く利用している人にとっては

大きな差額となってきます。

 

もちろん、所得に応じてということであれば

経済的に余裕のある方が対象になるはずですが

 

利用料が倍になる

と考えると

利用を控えようという気持ちが

働かないとも限りません。

 

今までのサービス利用を控えることによって

介護状態の悪化

家族の介護負担増など

マイナス面が大きくなってしまうことも気になります。

 

まだまだ、検討段階のため

決定事項ではありませんが

負担割合を増やす場合には

極端な利用控え等がおこらないよう

配慮も必要になるかと思います。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。