身体的拘束等の適正化

令和6年1月15日

厚生労働省では

第238回社会保障審議会介護給付費分科会が開催されました。

第238回社会保障審議会介護給付費分科会(厚労省)

今回の議題では

令和6年度介護報酬改定に向けて

「運営基準等の改正の主な内容について」

ということで

 

各サービス種類ごとに

運営基準等に関する

改正の内容がまとめられています。

 

全サービス共通の内容としては

(1)「書面掲示」規制の見直し
(2)管理者の兼務範囲の明確化
(3)身体的拘束等の適正化の推進

が示されています。

 

(3)身体的拘束等の適正化の推進

の詳細については

ア 短期入所系サービス及び多機能系サービスについて、身体的拘束等の適正化のための措置(委員会の開催等、指針の整備、研修の定期的な実施)を義務付ける。その際、1年間の経過措置期間を設けることとする。

イ 訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅介護支援及び介護予防支援について、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないこととする。また、身体的拘束等を行う場合の記録を義務付ける。

とされています。

 

”緊急やむを得ない場合”については

事業所独自や個々の判断ではなく

以下の3つの要件を

全て満たすことが必要とされています。

1.切迫性
利用者本人または他の利用者の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高い場合
2.非代替性
身体拘束以外に代替する介護方法がないこと
3.一時性
身体拘束が一時的なものであること

身体拘束廃止について(pdf資料)

 

次回の報酬改定では

利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、虐待の発生又はその再発を防止するための措置が講じられていない場合に、基本報酬を減算する。

とされています。

 

そもそも

身体拘束は行ってはいけないものですが

万が一必要となる場合は

3要件満たすことや記録に残すことなど

最低限必要となりますので

しっかりと理解しておきたいですね。

 

 

投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。

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