介護施設での虐待件数が過去最高を更新

高齢者が介護施設の職員などから受けた虐待の件数は、昨年度850件余りと過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省が全国の自治体を通じて高齢者が介護施設の職員などから受けた虐待について調べたところ昨年度は856件で、前の年度から117件増えました。
また、相談・通報件数は2795件で、いずれも過去最多となりました。

介護施設職員などからの虐待件数 昨年度850件余 過去最多更新(NHKニュース)

虐待について

暴言をはいたり暴行を加えたり

という行為は

誰にでもわかる虐待行為として認識されますが

 

例えば

本人が呼び掛けているにも関わらず無視する

不衛生な状態や異臭がする状態を放置する

本人がトイレを使えるのにオムツにする

本人が食事が行えるのに食事介助を行う

なども

介護放棄や心理的虐待

という虐待行為に該当します。

 

もしかしたら

介護者が虐待という認識がないまま

虐待が行われている

というケースもあるかもしれません。

 

具体的に

どういった行為が虐待にあたるかについては

厚生労働省のサイトで詳しくまとめられています。

市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(厚労省)

 

「高齢者虐待防止の基本」の中では

以下の5つの項目で解説され

それぞれの項目の具体例も示されています。

ⅰ 身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
ⅱ 介護・世話の放棄・放任:高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置など、養護を著しく怠ること。
ⅲ 心理的虐待:高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
ⅳ 性的虐待 :高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
ⅴ 経済的虐待:養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。

 

令和3年の介護報酬改定の中でも

介護サービスの全サービス事業所を対象に

『高齢者虐待防止の推進』について示されており

虐待の発生又はその再発を防止するための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果について従業者に対して周知を行うとともに、必要な指針を整備し、研修を定期的に実施すること。また、これらを適切に実施するための担当者を置くこと。

とされています。

 

それぞれの介護事業所においては

あらためて『高齢者虐待防止の推進』についても確認し

しっかりと対応していきたいですね。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。