認知症の薬に期待しすぎない

8月21日

厚生労働省の専門部会で

アルツハイマー病の新薬

「レカネマブ」の使用を認めることを了承した

というニュースがありました。

エーザイ認知症薬「レカネマブ」承認へ 厚労省部会了承(日本経済新聞)

認知症患者は

高齢化とともに増え続け

2025年には約700万人になるとされています。

 

そんな中

認知症の新薬が使用できるのは

喜ばしいことかと思いますが

 

理解しておきたいのは

レカネマブは病気の根治につながる薬ではない。投与の対象は、日常生活に支障がない「早期段階」の比較的症状の軽い患者に限られる。

ということ

 

認知症の薬は

すでに使用されているものを含め

進行を遅らせるための薬となっています。

 

新しい薬が承認されたから

もう認知症の心配はないねー

ということでもないのです。

 

認知症の薬については

和歌山県立医科大学附属病院 認知症疾患医療センターのサイトで

大変分かりやすく解説してくれているので

ぜひ参考にしてみてください。

認知症のお薬について(和歌山県立医科大学附属病院 認知症疾患医療センター)

 

サイト内で薬の紹介とともに記載してある内容が

本当に重要です。

認知症は治療よりも療養が大切な病気です。お薬はあくまで補助だと考え、生活環境やコミュニケーションを調整することが第一です。ご本人が困っていることを具体的にリストアップして、それぞれの問題点に対してサポートできることをご家族や介護スタッフと一緒に考えましょう。ご本人の負担を軽くし、不安を少なくするだけで気力やコミュニケーションの改善がみられることも多いのです。失敗はできるだけ指摘せず、さりげなくサポートしましょう。ご本人のプライドや価値観を尊重し、笑顔で接するだけで症状は良くなります。

 

薬に頼りすぎない

期待しすぎないこと

 

生活環境や心の負担を少なくすることを

第一に考える必要があること

 

大切です。

 

 

今回の新薬承認のニュースを受けて

あらためて

認知症に対する

理解を深めるきっかけにしていきたいですね。

 

 

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投稿者プロフィール

武藤 至正
武藤 至正
2005年、介護ベンチャー企業に入社。グループホームの開業準備、行政への指定申請、入居相談、運営管理業務に携わる。2010年には、介護複合施設の開業準備から運営管理までを経験。その後、有料老人ホーム、デイサービスの管理者として現場経験を重ね、2012年からはデイサービスのフランチャイズ本部にて、フランチャイズ加盟店に対しての開業研修、運営支援業務に携わる。